職場がおうちへやってきた

職場がおうちへやってきた 第10回 - OKIワークウェル創業

[2009年9月1日掲載]

独自の在宅勤務システム

OKIワークウェルでは、テレワークのための環境と、それを使った共同作業のしくみに関して、独自の在宅勤務システムを構築した。

会社組織

管理部と事業部で組織され、事業部にはプリンティングチームとIT事業チームという2つの生産部門がある。プリンティングチームは主に知的障害をもつ通勤社員、IT事業チームは主に重度肢体障害のある在宅勤務社員で構成されている。それぞれ、コーディネーターの管理指導の下で業務を行っている。

在宅勤務者

ここでいう在宅勤務者とはOKIネットワーカーズのことである。その勤務条件は下記のとおり設定されている。

障害の程度
  • 肢体障害者1級または2級。
  • 通勤が困難であること。
身分・給与
  • 在宅勤務契約社員。(1年毎更新)
  • 時給制、賞与あり。
勤務時間
  • 1日6時間、または7時間。
  • 標準時間帯は10時から17時。(契約時に個別設定)
出社
  • 出社義務はない。
  • 本人の希望があれば、打ち合わせなどに参加。

コーディネーター

現在、コーディネーターは健常者が務めており、本社オフィスでその仕事を行っている。コーディネーターの役割は、クライアントとの窓口、在宅勤務者の得意技術を活かすような作業の割り振り、プロジェクトの進捗管理、成果物の品質保証などである。現在は、シニア・コーディネーターが2名。その下に4名のコーディネーターがいて、うち3名はOKIからの出向社員である。また、コーディネーターのうちの1人は在宅で業務を行っている。

ディレクター

OKIワークウェルには現在、3名のディレクターがいる。在宅勤務者の中から選ばれたリーダーであり、プロジェクトの取りまとめを行う。

ネットワーク

OKIワークウェルの本社オフィスと在宅勤務社員の間は図1のとおり、インターネットによるネットワークで結ばれている。接続方式はインターネットVPN(Virtual Private Network)。遠隔地にいながら、社内LANで接続しているのと同じように情報のやりとりができる。


(図1)ネットワーク

作業の進め方

IT事業チームにおけるプロジェクト運営体制は図2のとおりである。クライアントから受けた仕事は、本社オフィスのコーディネーターがプロジェクト化し、在宅勤務者に作業の指示を行う。その後、ディレクターがチームの在宅勤務者を取りまとめて、作業を進めていく。


(図2)プロジェクト運営体制

  1. 受注

    クライアントからの作業依頼に対して、コーディネーターが打ち合わせを行い、仕様を確認した上で費用や開発期間を見積もる。これをクライアントに提示し、合意が得られた段階で受注となる。

  2. 在宅勤務者への作業配分

    コーディネーターは各在宅勤務者の能力や健康状態を考慮しながら、プロジェクトチームを立ち上げる。この際、1つの作業に複数の担当者を当てる。これは、体調不良などによるメンバー欠落のリスクを事前に回避するためである。

  3. 在宅勤務者による設計作業

    在宅勤務者はチームのリーダーであるディレクターの指示に従い、コーディネーターやチームのメンバーとコミュニケーションを綿密に取りながら、担当部分の設計にあたる。各プロジェクトの資料やデータ、作成途中のファイルは、すべて、社内に設けられた「共有サーバー」に保存されている。ここにある情報は常に最新に保たれており、メンバーは必要なファイルをダウンロードして作業を行う。

  4. 中間チェック

    成果物がある程度の形に達したら、ディレクターを中心に品質の中間チェックを行う。在宅勤務者はその結果をもとに、自分の担当分を完成させる。

  5. 最終チェックと納入

    ディレクターは、各在宅勤務者から提出された成果物を一式にまとめる。コーディネーターは、これが仕様と合致したものになっていることをチェックした上で、クライアントに納入する。

在宅勤務環境の整備

ここ数年、日本の家庭におけるIT環境は、情報の処理能力や通信速度などを見ても、その性能面で劇的な向上を遂げてきた。それに加え、通信費などのITに関する費用も、どんどん安くなっている。このようなIT環境の進化により、在宅勤務の環境も、容易に実現できるようになった。OKIワークウェルでもブロードバンドを利用し、高性能パソコンの貸与なども合わせて、効率良く仕事のできる環境をメンバーに提供している。

しかし、それだけでは、在宅勤務者のための支援としては不十分である。

机を並べてやっている仕事と比べると、在宅勤務には情報の量と、その共有化において大きなハンディがある。雑談から情報を得るようなこともできない。

また、OKIネットワーカーズの場合は重い障害があって外出がしにくいため、集合での社員教育を受けることが困難である。各地に点在する在宅勤務者への指導は、OJT(実務教育訓練)、eラーニング、個人学習などに頼らざるを得ない。

そこで、グループウェアが重要な役割を担うことになった。


(図3)グループウェア

各人の勤務状況の把握と、業務情報が蓄積されたグループウェアを活用することによって、在宅勤務者が、遠隔の同僚と協調しながら作業を行うことが可能になるのである。

勤務状況としては、在席の有無のほか、現時点での作業量を示すサインも登録することになっている。通常量ならAA。手が空いていればA。別の作業を入れられない場合はAAAと入力する。コーディネーターやディレクターは、その状況を見ながら、メンバーへの作業の割り振りなどを行っている。これにより、リスクマネジメントを行うことができる。

先述のように、作業には忙しい時と手の空いている時が混在する。手の空いている時には、スキルアップを図ることができる。eラーニング受講者への年間10万円の教育補助制度のほか、社内勉強会も開講。社内勉強会では、画像処理やスタイルシートなど、各分野に詳しいメンバーが講師となり、受講メンバーの指導に当たっている。

概括

複数の在宅勤務者がチームとなり、本社オフィスにいるコーディネーターの管理のもとで、ディレクターを中心とした共同作業を行う。緊密なコミュニケーションによる信頼関係が築かれており、その背景には会社による手厚い配慮がある。加えて、メンバー同士の知識や技能のシェアリング。これが、OKIワークウェル独自の在宅勤務システムである。

<次回(2009年9月16日発行)につづく>

サクセスストーリー

OKIワークウェルで活躍するOKIネットワーカーズのメンバーを物語でご紹介します。

  • 作り出す喜び
    OKIネットワーカーズきってのプログラマー、曽根博雅。(頚椎損傷)

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