経済ウィークリーコラム「にっぽん診断」

ウェルビーイング実践

企業経営においてウェルビーイングという言葉を頻繁に耳にするようになりました。注目を集めているのは国連の持続可能な開発目標(SDGs)の一つに掲げられているからだけではないようです。

健康、幸福、福祉などと訳されるウェルビーイングですが、初めて登場したのは1946年の世界保健機関(WHO)設立時だそうです。個人が肉体的、精神的、社会的に満たされた良い状態であることを表します。

研究者の話では、ウェルビーイングを幸福度と捉え、幸福度の高い職場では創造性が3倍、生産性が30%高くなるそうです。一方、離職率は59%、欠勤は41%、ミスは70%低くなるなどの研究結果が出ているそうです。働く人が幸福だと成果につながり、前向きな思考や行動をすることにより、幸福度を高めることができるものと伺いました。

このような素晴らしい成果をもたらすと聞けば、ウェルビーイングに取り組まない手はありません。活動の方向性はさまざまありますが、当社は全国に在宅勤務社員がいるため、よりよいコミュニケーション環境をつくる活動を立ち上げました。前向き思考で1日を始める、仕事だけではなく繋がり合う関係性をつくることを狙い、サポーター7名が推進しています。

具体的には朝の業務開始メールを活用し、週1回設定されたテーマに沿って、社員が「今日の一言」を投稿します。その内容に共感した社員は、「いいね」「大事だね」「ドンマイ」をクリックして応援します。投稿への反応や、週次のクリック数の集計結果、印象に残った一言は情報共有しています。これまで最も共感を得たテーマは「食生活で気を付けていること」でした。それぞれに役立つ内容があり、さらに知りたい人は質問をするなどコミュニケーションを広げているようです。

現在、活動を開始して9か月が経ちましたが、少しずつ社員の行動が変わってきました。当社が行っていることは、ウェルビーイングへの小さな実践ですが、その積み重ねが社会全体のウェルビーイングにもつながるはずです。皆さまも、できることから取り組んでみてはいかがでしょうか。



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