経済ウィークリーコラム「にっぽん診断」

「助けを求める力」つけて

新入社員の皆さんが会社に入って1か月半以上が経ちました。そろそろ職場に慣れてくる頃かと思いますが、テレワーク環境で働き始めた新入社員の中には、戸惑っている人がいるかもしれません。

当社には在宅勤務で働く社員が全国24の都道府県に71名います。テレワーク環境は上司や同僚と物理的に離れているため、気軽に尋ねることや、状況を察することが難しいところがあります。わからないことをわからないままにしていると、成果が出せなくなるため、私は入社式で必ずコミュニケーションの話をします。特に「助けを求める力」を身につけてほしいと伝えています。

仕事では一人で解決できないことが起こります。わからないこともたくさんあります。リアルな職場では、わからないことが出てくると、周りの人に「ちょっといいですか?」と質問して問題を解決します。しかしながら、テレワーク環境では相手の状況がわからず、「今、忙しいかしら。話をしても大丈夫だろうか」と思案して、尋ねることを躊躇しがちです。

コミュニケーション不足は業務に支障をきたします。当社では独自開発したバーチャルオフィスシステムを利用し、出社している社員を一覧表示して会議中かどうか、今、話せる状態にあるのかが一目でわかるようにしています。しかしながら環境があっても、利用する人自身が主体的に行動しなければコミュニケーションは図れません。

わからないことがあったら「ここで困っています」と自ら発信し、明確に状況を説明できるように、新入社員にはなってほしいと願っています。なかには「こんなこともわからないの?」と思われるのが恥ずかしくて、質問できない人もいるかもしれませんが、新入社員の特権は、先輩や上司になんでも聞くことができることです。わからないのが当たり前ですから、困ったら恥ずかしいなどとは思わずに、積極的に質問して問題を解決する行動をとるように促しています。

もちろん、安心して問題を打ち明けられる雰囲気がなければ、そのような行動をとることは難しいはずです。普段から会社のなかでオープンに話ができる雰囲気を醸成するように、当社では努めています。



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