当社では通勤が難しい障がいのある社員が在宅勤務で働いています。ホームページ制作やシステム開発、デザイン制作、データ処理、教育訓練等の業務を行っているため、IT資格の取得を奨励しています。目指す資格を個人目標に設定し、合格に向けて取り組んでいます。
IT資格は名前を聞くだけである程度スキルレベルがわかります。エンジニアとして保有するITスキルの客観的な証明になるため、お客さまからの信頼が得やすくなります。一人ひとりのスキルや知識を磨くことは、お客さまへの提供価値や品質向上につながります。また、試験に合格するための学習は、業務で身につけた知識を整理し、ITスキルを体系化する上でも役立ちます。専門性を高めるとともに、エンジニアとしての自信になると考えています。
社内会議で「資格取得者数が伸び悩んでいないか」と問いかけたことがあります。教育担当から「IT資格は受験日程や会場が決まっているものが多く、自宅で受験できるものは限られています。その日に体調を崩すこともあります。介助者や移動手段が確保できなければ、会場に行くことも難しく、受験自体が大変なことなのです」と、切り返されました。当社の社員のような障がい特性のある方にとっては、会場に行くことが前提となる資格試験は、ハードルが高いことは間違いありません。
情報処理推進機構(IPA)が、2022年8月4日に「基本情報技術者試験」と「情報セキュリティマネジメント試験」についてインターネット受験の実証テストを行うと発表し、自宅で試験を受ける参加者を募っていました。IPAが実施する試験に合格すると、国家資格として認められるため、当社としても積極的に挑戦することを促しています。
本実証実験の実施は、本格的な導入に向けて検討がなされていることだと理解しています。なりすまし等の不正防止策も必要となりますが、より多くの方が受験できるように自宅受験の検討を加速していただきたいと願っています。