木村のつぶやき つぶやきNo.10 (2009年2月) 工賃倍増の秘策になるか
ご無沙汰している間に、障害者を雇用している、もしくは就労支援をしている者にとっては、考えさせられる事件が起こりました。千葉県東金市での事件です。詳細はテレビや新聞で報道されているので省きますが、気になるのは、会社を退職に至るまでの状況です。会社が取った行動は?ハローワークや特別支援学校の就労定着支援はどうなっていたのか?地域に就労支援団体はあったのか?軽度の知的障害者にとって、知的障害者施設のたまり場的支援は重度の方が多く、レベル的に物足りなく利用しないケースがあります。その点、日中活動としての会社での就労は一般社員と同様に働くので満足度の高いものです。会社と就労支援団体の就労を通した生活指導は軽度の知的障害者にとっては、安定した社会生活を維持していく上で重要なファクターとなります。東金市のケースでは、会社と就労定着支援をしている特別支援学校、ハローワーク、就労支援団体とでどのような話し合いが行われていたのであろうか?私は、国の考えてるシステムが正常に機能していれば防げた事件だと考えています。
さて、前回のお話の続きですが、工賃倍増委員会の中で、主に下記の三つの提案をさせていただきました。
- 障害者雇用率の制度に障害者の施設への発注額を評価の対象とする
去年の暮れ「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律」で企業への障害者雇用の要請がさらに強くなりました。特記すべきことは、障害者雇用率算定の母数に4時間以上6時間未満の就労時間の社員も1/2の人員としてカウントされることです。パートやアルバイトを多く雇用している会社は今以上の努力が必要です。たとえば、現状400人の母数の会社が4時間以上6時間未満のパートを2,000人雇用していると、母数が1,400人となり400人のときは7人が必要な法定雇用人数になりますが、2010年7月から25人を雇用しなければなりません。外食チェーンやスーパーなどは現状の何倍もの努力と知恵を絞らなければ法定雇用率を達成できないでしょう。
多くの企業は法遵守という観点から雇用での障害者就労に協力してきました。障害者施設へ仕事の発注ということより、雇用のための社内の仕事の創出に努力をしてきたわけです。このような障害者雇用の現状を考えると、障害者法定雇用率達成のための方法の選択肢に、施設に発注することを加えたら、企業も新しい発想での障害者就労に取り組めるし、仕事がなく、安い工賃で不評の施設も企業の適切な生産やサービスの指導により活性化すると思います。
雇用率に施設への発注額も評価して含めると、企業は障害者を直接雇用しなくなってしまうと危惧する関係者もいます。そのような心配があるのなら、法定雇用率1.8%の内、0.3%までしか認めない制限をすれば解決すると思います。一般就労、福祉的就労の垣根を越えて、全体での障害者就労人口を増やし、両者の賃金の大きな格差をなくし、障害の状況に合った働き方が選択できる環境をつくることが重要なのです。
- 企業OBのシニアボラバイトを施設に受け入れる
障害者施設には前回述べたようにQCDの管理体制はありません。発注側はQCDをきっちり管理できる業者にしか発注しないのは当たり前です。そこには信頼できるQCD管理者が必要です。昔は工場の現場監督や営業の先頭で働いていた団塊の世代が第一線から引退をしていくのを、指をくわえて見過ごすことはありません。彼らは余生を世の中に役に立つことをしたいと意欲充分なのです。さらに、彼等の奥様は一日中家にいられては困るのです。お互いに願ったり叶ったりです。ボランティア的収入を得て、社会貢献と奥様貢献ができるトリプルWINです。
- 地域社会の環境やニーズに合う事業を選択する
良く田んぼや畑の中の施設でクッキーやパンの製造をしています。工賃が低いのは当たり前です。一般の業者に味や価格で負けない自信はあるのでしょうか。そんなもの売れません。農業をしている施設の工賃は、それ以外の施設の工賃の2倍あるといいます。それは地域社会の環境やニーズに合っているからです。有機や無農薬の野菜を作り、地域社会からも評価されます。日本の食糧自給率アップや地域の環境にも貢献できます。行政や企業ともコラボレーションし、地域社会の一員として活躍できる事業を見出さなければ何時までたっても工賃1万円です。
障害者の一般就労と福祉的就労の報酬の差は約10倍あります。能力ではなく、若年時にどちらへ行ったかで決まるようです。別々に検討するのではなく障害者の就労問題として一緒に解決しなければなりません。施設の就労継続支援A型(雇用型)の考え方は一般就労と変わりません。このような施設へ企業から発注や指導をしやすくするための法律をつくるべきです。
嬉しいニュースがあります。宮崎県都城市の社員が厚生労働省ATARIMAE プロジェクトのホームページで宮崎県東国原知事と対談し、映像と記事が掲載されました。事故で頚椎損傷し、絶望から立ち上がり仕事に燃えている状況を対談にて表現しています。感動の対談となっています。
もひとつ面白いニュースは「OKI プレミアムフェア 2008」というイベントがあり、ユビキタス川柳で当社社員がお客様投票で最優秀賞をいただきました。
ATM 息子じゃないって 教えてよ
新手の振込み詐欺が増えているようです。OKIのATMには振り込み詐欺判別機能は残念ながらありません。皆さんでお気をつけください。